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当院は東洋医学に基づき、複雑に絡み合った病の原因を患者さんと共に謎解きしていき、病の本質をついた鍼灸治療をしています。病の本質をつくということは病気の大本の部分に対して治療を施すと言うことであり、それによって枝葉の症状は、とれていくということです。
先日来られた方は、ソフトボールで走塁中にぶつかり右の首を傷め、鞭打ち症状になり、だんだんきつくなっているので何とかして欲しいと来られました。以前からあった胃重感も前にはなかった空腹時痛になってきたそうです。
これは胃潰瘍の一歩手前の事が多く、かなり胃壁がやられている兆候です。それから慢性的な腰痛も持っています。テニスが好きな方で毎週されていて腰を捻ったり、ジャンプして着地した後などの際にきつくなり痛みが何日か続くということです。
詳しく問診をすると、この方は胃重感が起こって来た2ヶ月ほど前頃から管理職になり特に周囲に気を使う事が増え、またこのところの不況でさらにストレスがかなりきつくなったということです。 食生活も1日2食で朝は食べなくなり、もともと揚げ物・めん類・肉類に偏りがちで満腹まで食べるそうです。
特徴的なのは、毎晩晩酌をし普段から便がやわらかい方なのが、精神的ストレスや環境の変化などで便秘になることです。それから首の痛みは普段からあるのですがテニスなど何かに熱中している時には、あまりきつくならず痛みがきつくなるのは決まってその後です。
また仕事をしてストレスがたまってくると首痛もきつくなってきます。これらの首痛・胃痛・腰痛の特徴から言えるのは、体力的に弱っているのではなく気の滞りが主体であり、肝と胆の経絡を主に滞りが生じやすいということです。
治療は足の先から手の先、頭のてっぺんまで巡っている肝胆の経絡を中心に探って、鍼を1本だけしました。この時は、右手の小指の付け根にある後渓〔コウケイ〕というツボを使いました。この治療だけで胃痛は1回、首痛は3回でほとんどとれ、現在は腰痛と胃痛の治療と予防に通われています。
このようにどういう場合に症状が悪化したり、改善したりするかを東洋医学の目線で見ていくと特定の経絡に絞ることができます。この方の場合、腰と胃腸の症状の根本的な原因には東洋医学で言う肝胆の経絡の滞りがあり、それにプラスして首を捻挫して鞭打ち症状が起きて現在の状態になったものでした。
つまり病の本質は肝胆の経絡の滞りにあり、根本的な治療と言うのはここにまず絞って治療することにあります。
原因はたくさんあるように見えてもその中でも主たる原因は1つもしくは2つに絞ることができます。治療はこの絞られた原因に対して行っていきます。その為使うツボは通常2〜3箇所、多くて6箇所ぐらいでよく、逆に多く使いすぎて身体の気を消耗し、治す力が分散しすぎて、なかなか治らないことが多いのです。
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