上半身〜下半身、目の痒みを伴うアトピー性皮膚炎

初診日 平成26年8月22日
患者 女性 30歳 160cm 54kg
主訴

・アトピー性皮膚炎

・夜の眠りが浅い

・腰痛

病歴

2歳から14歳までアトピーがきつく通院していた。ワセリンとステロイドを服用していた。

1年前に大阪から北海道へ結婚して引越しにより、目の痒みがきつくなる。

今年の4月から上半身から痒みが出始める。出産後に前かがみになったときにギクッとする痛みが出る。

6~7月に全身の痒みで眠りが悪くなる。ステロイドと漢方薬を服用する。

診断 2歳からアトピー性皮膚炎ということから、ほぼ生まれつきのアトピーと考えられる。こういう方は、妊娠中の母体に何らかのストレスがかかり、胎児に熱が生じて皮膚の炎症として出てくることがほとんどである。特に肝臓に熱がこもるので、治療は肝臓にこもった熱を冷ますことがポイントになる。北海道への環境の変化、出産してからの環境の変化も要因になったと思われる。
治療 1回の治療で1〜2個の少数のツボ(霊台、至陽、神門、百会、曲泉、内関、外関、十井穴、臨泣など)を適宜選び、1回の治療で1〜3個の少数のツボを適宜選び刺針した。
経過

初診8月22日 アトピー性皮膚炎、上半身から下半身に広がる。眠りが浅い

2診目8月23日 腹部と背中が痒い。一回目覚めたが朝までぐっすり眠れた

3診目8月25日 一回も目覚めることなくグッスリ眠れた。

6診目8月29日 顔の赤味と熱感がきつい。痒みはない。

13診目9月8日 痒みはあまり気にならない。

22診目9月20日 痒みはあまりない。腰と背中あたりがピリピリする。

現在の状態 約3か月の治療にて、アトピー性皮膚炎の方は症状なくなり、睡眠もぐっすりとれ、腰痛も解消されている。北海道から実家の大阪へ帰ってくる際に、時々通院される程度でアトピー性皮膚炎の症状も治まっている。

院長のコメント

 子供からのアトピー性皮膚炎は、原因は生まれつきのものが多く、その理由は母体の熱が影響し胎児に影響し発生するからです。妊娠中期〜後期にストレスで母体に熱がこもると、身体の浅い部分が皮膚や腸の粘膜に熱を帯び痒みの原因となります。
 これらは肺に関わりが強いために少し深くなると喘息や気管支炎などの病気になります。さらに深くなると肺と心臓は近いために心臓弁膜症などの病気になることもあります。なので、妊娠中のストレスには、十分配慮が必要です。
 しかし、この症例のように数ヶ月という短期間で根治する方もいます。治療後には必ずお伝えしている気のストレッチをして、食養生に気をつけ、気を出す歩き方など適度な運動を心がけていれば、改善していきます。